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【欠席鬼支部長】佐藤ゆかり観察18【処分ウケテモ保身】

202 :無党派さん:2006/12/28(木) 22:09:50 ID:IBAK4c8B
「いい雰囲気のお店ね・・・」と席に着くと頷きながらほっとしたように先生はユキに言
った。 俺の送別会を先生にいわれてユキがアレンジしたらしい。奥まった壁際にある予約
のボックス席は薄暗い店内でもより暗かった。赤レンガの壁面には帯のようにミラー張ら
れていて、ボックス席に奥行感をだしている。ジャズが流れている。

先生はクレープ地の萌黄色のジャケットを脱ぐと、それを脇に置きながら
「今日は、二人にお任せしますからね・・・」と、にっこり笑った。サマーセーターの白
がテーブルのともし火を受けてその笑顔に映えている。

「アラカルトでいいですよね?」と、ユキが先生に確認する。
「いいわよ・・・二人とも、私にとっては身内みたいなものですから・・・シェアーしま
しょうよ」と、俺とユキを交互に見つめながらいった。俺は突然出た“身内みたいなもの”
という言葉にドキリとした。目が泳いでいないか。視線を外すように左隣のユキを見た。

うつむき加減に指先で品書きを追いながらメニューに見入っていた。時折前に垂れてくる
髪を指先で後ろにかき揚ながら・・・ユキの横顔には動揺の気配などまるで感じられない。
それに比べ俺の心臓は流れているウッドベースの重低音のようにドキドキしていた。

生ビールで乾杯してから、ドイツ料理をつまみながら俺が岐阜の印象だとか先生を通して
見た政治家の実像がいかに自分が思っていたものと違っていたかを具体的な例をだして話
した。先生は聞き上手だ。魅力的な表情で相槌を打ってくれるし、間が空けば前屈みにな
り俺の目をのぞきこむようにし「それで・・・」と言うような誘いをかけてくる。

先生を語るときは目を合わすことができず、中指に嵌められているリングを見ながら話を
した。隣のユキも手を止めて聞き入っている気配が伝わってくる。話が一段落すると、
「ユキちゃん、モーゼルを頼みましょうよ」と、先生が唐突に言い出した。

俺が運ばれてきたワインのテイストをすますと、ボーイが三人のグラスにそれを注ぎ足早
にたちさった。「先生の夢」のために乾杯したあと、先生の話を聞こうと
「ところで先生、六年間寄宿舎だったそうですか、どうしてですか?」と、切り出した。

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